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世界の音を失った

一昨日、耳が聴こえなくなったウラを想像しました。


電ライナーに乗っていると急に回りの音がふっと無くなるんです。
一瞬「あれ?」と思って回りを見渡しても、皆変わらずに楽しそうに話してて
自分だけ何もない空間にいるのかと錯覚するウラ。
これは自分だけが聴こえてないのかな?皆は喋っているのに、なんで?
そのまましばらくは耳が聴こえなくなったとは確信できないでいるウラ。
いきなりの出来事に頭の中で上手く処理ができません。
一人で放心しているウラを見て「オイ、何ボーっとしてんだ亀野郎!」とモモ。
いつもなら自分を挑発してくる奴がなにやら驚いたような顔でこっちを見ているだけ。
「オ、オイ!何だぁジロジロ人の顔見やがって!」それでもウラはモモを見てるだけ。
様子が変だと思いモモが良太郎を呼ぶと、皆はウラに近寄ってきます。

「なんかコイツ様子おかしいんだよ」
「ウラタロス・・どうしたの?具合悪いの?」
「かめちゃん元気なーい!早く遊ぼうよお!」
「ウラちゃん・・ひょっとしてコーヒー美味しくなかったですか!?」
「でも・・いつもと一緒でしょ?一体どうしたのよウラ」

皆の表情や動作を見たら自分を心配してくれているのは分かる。
だけど肝心の皆の声が聴こえない。
テレビを消音にしているような感覚というよりは
自分の中から「音」がなくなったという感覚に陥る。
遠くにいるキンちゃんは腕を組みながら寝ている。静かに。
いつものようにうるさいキンちゃんのいびきが聴こえない。
ありえないよ、いびきをかかないキンちゃんなんて。

なにこれ・・・・僕、耳聴こえなくなっちゃったの?

ウラはそこでやっと自分の世界の音が死んだことに気付きます。
良太郎、ハナさん、センパイ、リュウタ、ナオミちゃん。誰の声も聴こえない。
だいすきなキンちゃんの声も聴こえなくなってしまった。

『キンちゃん』

唇を動かした。だけど聴こえない自分の声。
ちゃんと声がでてるのかさえ分からない。きっと誰にも聴こえてない。
皆の不安な顔が僕に向けられてる。一言も喋らない僕を見て皆が心配してる。
リュウタが持っていたお絵描き用の紙を借りて一言書いた。
「聴こえない」皆は呆然と紙を見つめていた。

あ・・ナオミちゃんとリュウタが泣いてる。
ごめんね、涙を拭うことしかできない。リュウタ痛いよ。
センパイまでそんな顔して、らしくないなあ。からかえばのにさ。
良太郎にまで心配かけちゃうなんて駄目だなあ僕。
ハナさんまで泣かせちゃうなんて男として失格だよ。

キンちゃんがいきなり立ち上がった。
たぶんいつものように「泣けるで!」と言ってたんだと思う。
こっちに近づいてきてナオミちゃんとリュウタとハナさんに懐紙を押し付ける。

「皆で泣いて・・何があったんや」
「キンタロス、ウラタロスが・・・」

良太郎と話し終わると僕の前にどすりと座り込んできたキンちゃん。
顔をじーっと見つめられた直後、いきなり顔を両手で掴まれた。

「亀の字、喋らんかい」
「おいクマやめろ!」
「俺の声聴こえんのか?」
「キンタロス・・」

あ、キンちゃん何か喋ってる。
なに?もう1回言って?次はちゃんと聴こえるから。

「亀の字!!」

「あ」「え」「お」「い」?ああ・・「かめのじ」って言ってるんだ。
キンちゃんの名前をゆっくり呼び返す。あれ?・・聴こえてないみたい。

キンちゃんの声が聴こえなくなるなんて嫌だなあ。
ぼーっとしていると強い力で大きな腕に抱きしめられる。
次第に肩が濡れて、キンちゃんが泣いてるのだと気付いた。






タイムアウトーーー!
病話は泣けるで。泣かせればいいってもんじゃないが。
あ~~ん・・・!バイト戻らないと。

2008.01.14(Mon) - 未分類





/まとめ
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